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文責:横幕鍼灸院 院長 横幕胤和
最終更新日 2024年6月20

パーキンソン病の判断基準

パーキンソン病の判断基準を理解することは、パーキンソン病の症状にいち早く気づき、一般的な対応方法や検査の目的を理解する手助けになります。

パーキンソン病の判断には、大きく分けて4つの明確な判断基準があります。それは、自覚症状、神経所見、臨床検査所見、他の疾患との鑑別です。

このページでは、パーキンソン病を改善したい方のために、パーキンソン病の判断基準について詳しく説明しております。

【目次】

  1. パーキンソン病の自覚症状
  2. パーキンソン病の神経所見
  3. パーキンソン病の臨床検査所見
  4. パーキンソン病と他の疾患との鑑別
  5. パーキンソン病の判断
  6. パーキンソン病に対する当院の方針

1.  パーキンソン病の自覚症状

パーキンソン病の自覚症状は、非常に重要な判断の基準になります。

パーキンソン病には4つの重要な症状(振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害)があるのですが、そのうちの2つ(振戦・無動)にはご本人が気づきやすい特徴があります。

振戦(しんせん)

まず、自覚症状としてふるえが出ることがパーキンソン病の重要な特徴です。

パーキンソン病のふるえは手足に多く見られ、人によってはあごにふるえが出ることがあります。症状が軽い段階では、片側だけにふるえが現れることが多く、両側にふるえが現れることはあまりありません。

無動

もう一つの症状として知られているのが、動作がゆっくりになることです。これはパーキンソン病の重要な症状で、動作が遅くなったり、文字がうまく書けなくなったりすることが特徴として現れてきます。

このような症状は、脳の内部で作られるドーパミンという物質が不足することにより、動作を伝える情報に強いブレーキがかかってしまうことが原因で起こります。歩行動作などにも影響が出て、日常動作全般が思うように出来にくくなります。

2.  パーキンソン病の神経所見

安静時振戦

毎秒4~6回程度のふるえが安静時に起こることが特徴で、パーキンソン病の判断には欠かすことができない所見です。

仮面様顔貌(かめんようがんぼう)・低く単調な話し声

仮面様顔貌とは、仮面のように表情が乏しくなることです。これらの症状は、顔の表情を作る筋肉や声を作り出す声帯の筋肉に異常がおこり、筋肉の動きが鈍くなることで現れてきます。

関節の動きの悪化

肘などの関節の力を抜いて誰かに動かしてもらう(受動運動)ときに関節が非常に硬くなってしまい、なかなか関節が動かないような状態をいいます。

このような関節の強剛(きょうごう)化はパーキンソン病でよく現れる症状なので、非常に重要です。

姿勢・歩行障害

神経の異常による症状は姿勢や歩行動作にも現れてきます。姿勢が前かがみになったり、一度歩き出すとなかなか止まらなくなってしまったりといった、パーキンソン病に特徴的な症状として現れてきます。

3.  パーキンソン病の臨床検査所見

パーキンソン病の検査で大切なのが血液検査と脳画像です。

血液検査

パーキンソン病は、実は血液検査では大きな異常を示すことはあまりありません。

血液検査の結果に「異常が見つからないこと」が、他の症状との鑑別のために重要な所見になります。

脳画像
脳の画像は主にMRIとCTで撮影をします。パーキンソン病は脳の内部の中脳という部分に起こる異常です。中脳の黒質に異常が見られ、脳腫瘍や脳血管の異常など他の異常が見受けられないときに、パーキンソン病と判断できます。

このような画像判断は、パーキンソン病と同じような症状を引き起こす他の症状との鑑別に重要な役割を果たしています。そのため、この検査を欠いては適切な判断ができないのです。

4.  パーキンソン病と他の疾患との鑑別

パーキンソン病の判断で大切なのは、他の疾患との区別をしっかりとつけることです。

甲状腺の症状や他の神経の症状などがある場合には、パーキンソン病と同じような症状を引き起こすことがあります。

また、一般的な対応方法に際して用いたお薬が原因で、パーキンソン病と同じような副作用が出てくることもあります。

 

5.  パーキンソン病の判断

パーキンソン病の判断は、これまでにあげた要素がどれだけ含まれているかによって判断されます。

自覚症状・神経所見・薬剤やその他の症状が原因となっていないかの確認・検査結果の異常の有無などを確認した後に、以下の①~⑤の全てに該当するものがパーキンソン病だと判断されます。

①経過が進行性
②自覚症状で、上記のいずれか1つ以上が見られる
③神経所見で、上記のいずれか1つ以上が見られる
④抗パーキンソン病薬による一般的な対応方法で、自覚症状・神経所見の改善が見られる
⑤鑑別判断で、上記のいずれでもないことが明確である

6.  パーキンソン病に対する当院の方針

当院では以下のポイントにてパーキンソン病の改善を目指します。

自律神経のバランスの改善

パーキンソン病の原因の一つに、自律神経のバランスの乱れがあります。

特に、身体を緊張させる交感神経が過剰に働いている状態が続いております。交感神経が過剰に優位になりますと、様々な症状を引き起こします。

パーキンソン病で来られる方の多くは、大きなストレス・疲れなどにより、交感神経が過敏になっております。

このため、身体が動きにくい、便秘、汗が出やすくなる、うつ症状などのパーキンソン病の症状が出やすくなっています。自律神経の働きを改善する事により、パーキンソン病の症状の改善を行います。

平衡感覚の改善

当院のパーキンソン病の対応方法では、まず平衡感覚の改善を行ないます。

平衡感覚の不調は、めまい・ふらつきの症状を引き起こします。特に、パーキンソン病のすくみ足・前傾姿勢でお困りの方には、大切な一般的な対応方法です。

身体の平衡感覚のセンサーである、三半規管の不調がパーキンソン病の原因に影響を与えます。

まず、三半規管が不調になると、めまいやふらつきの症状が強くなります。 

平衡感覚の障害は、ドーパミンの産生・再吸収に影響を与えます。この結果、ドーパミンの不足がおこり、パーキンソン病の原因と考えます。パーキンソン病を改善するためには、平衡感覚を改善する事が大切です。

免疫力の改善

パーキンソン病の方は、長引く症状の影響、心理的要因、お薬の影響などより、免疫力が低下されている方が多いです。

このため、他の症状にもかかりやすくなっています。免疫力が低下する事により、改善が遅くなります。

免疫力が下がりますと、お薬が効きにくくなりますので、かえってお薬の量が増えたりします。

あなたが本来お持ちの免疫力を上げる事は、パーキンソン病を改善するためには大切であると考えます。

パーキンソン病でお困りの方は、大変大きな不安をお持ちです。症状が苦しくてあきらめがちにもなります。

パーキンソン病を改善するためには、原因を見つけ、しっかりと対応することが大切です。どうぞあきらめないでください。

患者さんの声 パーキンソン病

パーキンソン病歴25年で、どんどん体の動きが悪くなる一方の時期に、インターネット検索で先生の一般的な対応方法を知りました。
昼間は動けなくなることが増え、夜間は頻尿の為に眠りが浅く辛い日々でした。一般的な対応方法の回数を重ねるごとに体調が良い時間が増えてきています。

徳島県 MSさん 70歳代 男性

Q1.当院の鍼灸を受ける前は、どのようなお悩みや気になることがありましたか?

パーキンソン病歴25年で、どんどん体の動きが悪くなる一方の時期に、インターネット検索で先生の一般的な対応方法を知りました。

昼間は動けなくなることが増え、夜間は頻尿の為に眠りが浅く辛い日々でした。

Q2.(上記の状態が)ある事で、どのような嫌な思いをしましたか?

発声のしやすい言葉を選んで話したり、スムーズに動けないために外出準備に長時間かかっていて、時間を気にしたり、周囲に気を遣うことが多かったです。

Q3.実際に当院の鍼灸を受診してみて、どのように感じましたか?

一般的な対応方法に取り組む心構えを教わる中で「必ず良くなりますからね。いっしょに頑張りましょうね。」と言葉がけを頂けたことが何よりも嬉しく、有り難いことだと感じました。

一般的な対応方法の回数を重ねるごとに体調が良い時間が増えてきています。食事改善に取り組んだことで体の内側からも変化が起こっているように感じています。先生のアドバイスのお陰です。

Q4.当院へのご意見・ご要望があれば、ぜひお聞かせください。

今後も継続して通院致しますので引き続きよろしくお願いいたします。

 

*個人の感想であり効果を保証するものではありません。

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